なにせふせっている間というのはホントになーんもする気がおきないもんで、過去数日間というもの、おいちゃんにつきあってひたすらマグロのごとくホットカーペット上にころがったまんまテレビ漬けになっておった
ま、ちょうど討ち入りの季節でもあり(そうか?)忠臣蔵関連の番組はそれこそいーぱいあった中で、いっちゃんヒットをとばしてくれたのが、かの溝口健二監督による元禄忠臣蔵
溝口とゆうお方、かのクロサワとか小津とかと並んで海外でも有名どころ(らしい)
ちなみにおいちゃんの影響でいくつか見た溝口映画ってーやつはペンギンくんの背中のケをおもいっきし逆なでしてくれるたぐいのしろもんで、あたしゃどっちかっつーとやっぱわかりやすいクロサワが一番好き
ま、ペンギンの好き嫌いなんぞどーでもいいわけで、ともあれ溝口を知らないお方は、どっちかっつーとうじゃらうじゃらとやたら情緒的な映画を作るヒトだと思っていただければよろしい
そんなうじゃらうじゃらした監督がよくもまあ忠臣蔵なんつー通俗的な映画作ったもんだなぁ、と思いつつつらつらながめていたのだが・・・どーも様子がおかしい
確かに大石内蔵助やらなんやら聞いたことのあるめんめんは登場してくる
が・・それぞれにえんえんと心情を語ってるわ あっちでは誰かと誰かが惚れたの別れるのとなにがなにやらよーわからん
いつもりあがるのかな〜と思いつつ耐えること数時間、やっとこさっとこ重い腰を上げた内蔵助を先頭に討ち入りへと出発
はーやれやれ、やっとチャンバラか・・・ と、思った次の瞬間、場面が浅野内匠頭(あさのたくみのかみって読むんだじょ)の奥方へと切り替わる
は?
そこで奥方、内蔵助からもらった手紙をおもむろに広げ、そこにしたためられた吉良邸における壮絶な戦闘場面をとうとうと読み上げる
へ?
次の場面で装束に身をかためた連中がぞろぞろ歩いており、あーなるほろ、これから回想シーンで吉良邸に討ち入るわけね・・と思ってたら、ご一同はいきなり内匠頭の墓へ
にゃ?
なんと、討ち入りの場面っつーのは、あの 奥方が読み上げた アレだけだったのである
討ち入っためんめんは いってきまーす♪ と出ていった次がいきなり ただいま〜♪ ってそんだけ・・・
世の中に忠臣蔵の映画やらドラマやらは数々あれど、戦闘場面はおろか、刃物が全く出てこない忠臣蔵は他にあるまい
おそるべし 溝口
なわけで、ここしばらく(年が明けるまで)はテレビおよびケーブルで見た映画ネタが続きますんで、そこんとこよろしく