代理母問題 returns

いやもぉ ず~~~~~っと書き物ばっかしていた過去1ヶ月弱
なんかね
おうちに帰ってまでね
書き物をする気力がわかなくてね
ほとんど放置状態だったこのブログ
科研費提出も終了した今日このごろ、みなさんいかがお過ごしですか?

んで、お約束(って自分で勝手に決めてただけなんだけど)の代理母問題についてはいつになく多数のコメントをいただきまして

なるほど、いろんな考え方があるもんだなぁ と感慨を新たにしたのですが
とりあえず、ワタクシなりに考えをまとめまして、ついでに感想なんぞを

ま、今回、思ったより多数の方々が養子を是とするコメントだったわけなのですが、ざっとまとめると

    1. 現行法が実子として認めていないのを知ってて強行したんだから仕方ないぢゃん
    2. DNA鑑定はまだまだ一般的に認知されているとは言えないのでは?
    3. 実子も養子も実質的問題はないんだから養子でいいんじゃね?
    4. すでにこれだけ騒がれてる以上、代理母から生まれた、ということそのものが周知の事実になっちゃってて子供たちが周囲からそういう目でみられることは必至だし

てな感じでよろし?

ふ~む・・・・そうなのか
意外に多くの方が実子でも養子でも別にこだわらないんですね
私だったら気にするけどなぁ
だって、すでにDNA鑑定やって99.99%親子関係にある、と証明されている子供たちでっせ?
実子扱いしたげたっていいぢゃん! と思うんだけど、おかしいんかなぁ・・・

それはともあれ、上記4点についてなんですが、話の展開上、まずは1.から

1. 現行法が実子として認めていないのを知ってて強行したんだから仕方ないぢゃん

高田夫妻もまぁね、多少なりとも困難さを承知した上で提訴したと思うんですよ
ところが、その一方では代理母出産を選択した人たちの大部分が代理母出産を隠して実子として申請し、それが通ってしまっている、という事実もある

法律というのは人々を幸せにするための最低限の決まり事だ、と私は解釈しておりますんで、当然、時代とその変化に合わせて少しずつ変えていかなきゃならない、と思うわけであります

極端な例を挙げればですね ライ病の方々を隔離した稀代の悪法があったではないですか あれですよ
とっくに原因菌がわかってて感染の危険性の低さが指摘されてもいつまでもいつまでも改正されなかったあの法律

ま、いくらなんでも極端すぎるかもしれんけど、医学の進歩が法律に反映されず、多くの人々が不利益をこうむった、ちう点では似てますよね
で、法律を変えようと思ったら、あるいは人々の認識を変えようと思ったら、なにごとも声をあげなきゃ始まらない、と私は思うわけであり、現行法の問題点に目を向けるきっかけを作った、という点で高田夫妻はえらい、と私は思う

しかしながらもちろん、多くの人々が代理母出産を隠して出生届を出してしまう理由だってもちろん理解できる
なんせそれで済むなら誰だって騒ぎを起こしたくはないもの
んでも、ですね、やっぱ、隠してせななならんようにしている法律がおかしい、とは思いませんか?

別にいいじゃん、誰のおなかの中で育っても
生物学的に実子なら実子として認めてあげれば
世間の目をはばかって隠さなければならない人々だってよろこぶと思う
自分ではもう子供が持てないとあきらめてしまっている人たちにも希望を与えると思うし
なんせこの少子化時代なんだし

ともあれ、この点から、べったんさんの

なんにせよ、法律もそろそろ時代に合わせて変えたほうがいいものが沢山あるのは確かですよね。いろんな選択があるのに、法律だけがウン十年前のままっていうのも、ちょっとなあと思います。

に、一票
べったんさんがおっしゃるように、ゆっくり、見守っていきたいと思います

さて、次

2. DNA鑑定はまだまだ一般的に認知されているとは言えないのでは?

seita君のなげた疑問がその問題点を明確に現していると思うので掲載

近い将来に相続を発生させる世代の何%が自分の孫に関して、DNA鑑定という概念を適応出来るのでしょうか?

ねぇさんのご意見にも、実子として認めるなら全(出産)例でDNA鑑定を実施しなきゃならなくなる、という記載があったこともあり、ここでのポイントは
DNA鑑定というものが一般的に認知されているのか否か?
あるいは全ての出産についてDNA鑑定が必要になるのか?
ということになると思うのぢゃが

まずは最初の点ですが、なんせ祖父母世代ってのは中国残留孤児問題をすでに体験してますからねぇ
別にインターネットをツールにしてなくても新聞やテレビでじゃんじゃんDNA鑑定について報道されてた過去があるわけで、それが一体どういうもんなのかは正確にわかってる人こそ少なくても、何を意味するものなのか、くらいはほとんどの人がわかってると思いますがいかがなものか?

ま、あれだ
アンケートとってみたらいいと思う
孫がほしいと願う祖父母世代に
自分の子がなんらかの理由で出産できないとして、誰かのおなかを借りて子を得たとして、DNA鑑定で実の子供だと証明されたら、自分の孫だと認めますか? って

第2の点、高田妻も言ってたけど、世の中の全男性は自分のハラ痛めることなんかできないんだから、あなたの子よ、って言われたらそう思うしかないわけでしょ?

今回の問題と実質的にどこが違うんでしょうか
私にはどーしてもわかりません
誰か教えてください
腹を痛めてないから実子として認めません、というのは実に不毛な議論だと思いますがいかがなものか

ねぇさんのおっしゃるように全例にDNA鑑定が必要か? と、言われれば、普通分娩の場合は必要なし、変則的な出産の時だけDNA鑑定により親子関係が証明できたら実子として扱う、とすれば問題ないと思うわけであります

さて、お次

3. 実子も養子も実質的に問題はないんだから養子でいいんじゃね?

今回のケースは
・法的に代理出産が認められているアメリカのとある州で出産
・代理母は「社会に貢献したい」という理由で自発的に申し出た
・出産後のDNA鑑定で99.99%親子であることが証明されている
・日本で親子として暮らしていてすでに子供たちは出生届けが受理されないまま3歳になっている
・全ての条件を検討した結果、高等裁判所が実子として扱うのが適切である、と判断した
・判決が不服だってんで、品川区が上告した(ことになってるけれど、実際には法務省が出生届けを受理しないから、というのが真相とのこと)

で、なんで養子じゃいかんの? というのが多数意見なわけですが

しかしながら・・・私は逆ですな
逆にですね、なら、実子でもいいぢゃん! と、ワタクシは思うわけですよ
だってほんとに親子なんすよ?
柚子さんやiMacせんせがおっしゃるような『行政上の些末なこと』でほんとの子供を養子として登録しなきゃならん、というのは(法律そのものが)おかしいんじゃないか、と思うわけであります

しかも、その法、というか、論拠となっている判例というのはなんと昭和37年4月の最高裁判決

なお附言するに、母とその非嫡出子との間の親子関係は、原則として、母の認知を俟たず、分娩の事実により当然発生すると解するのが相当である

・・・・・オイラが生まれる前の話ぢゃんっ!
それから一体どれだけ世の中に変化があったのかを考えたら、法がそうなんだからしょうがない、なんて言えないんじゃないのかなぁ

でもって、柚子さんのおっしゃる『何が目的なのか今ひとつわからない』、にも反対
要するに法改正に向けてのアピールだと思いますよ
実際、おばあちゃんが代理で孫を出産した例が報告されて、とうとう法務省が法整備に向けて動き出す機運が出てきた、という報道が最近ありましたよね

しつこいようですが、声を上げなければなにも変わらない
他人から精子や卵子をもらって出産することは認められていながら、なんで子宮を借りるのはいかんのか?
誰かわかるように説明してほしい

だからこそちゃんと高田夫妻のように行動と言葉にして社会に問うことは非常に重要だと思います
幸いにもこの国は思想が違うだけで弾圧されたり政治犯扱いされちゃうような社会ではなく、ちゃんとした民主主義国家なんですから
私は彼らの勇気ある行動に拍手を送りたいっす

4. すでにこれだけ騒がれてる以上、代理母から生まれた、ということそのものが周知の事実になっちゃってて子供たちが周囲からそういう目でみられることは必至だし

代理母から生まれた子供たちだから、 なんだと言うのだ? って感じです
それを問題視するうような社会をこそ変えたいと思いませんか?

これは日本って国のいいとこでもあり、悪いとこでもある、と思うのですが
均一性を尊ぶ、とこが特徴で、普通でない、ものに対してすごい偏見がある
ま、偏見、とまではいかないかもしれないけれど、敬遠される傾向は確実にある

ハーフというだけで差別された時代もあるわけですから
今じゃその容姿を生かして大活躍してる人たちもいるわけで、すっかり市民権を得ているけど

で、奇しくもそれに関連した、女性の人権、に関するご意見が、さいえんちすとのおふたかた、それも男性2名から発せられた、ということが実に興味深いっすね

卵子と精子はあるけど子宮はない人々がいて
あきらめていた実子を得る手段が医学の進歩によってもたらされた
でも、法律はそれを認めてくれない
だってさぁ 倫理的に決着がついていない問題だからしょうがないじゃん
ちゃんちゃん

で、終わってしまってるわけですな 現在のとこ

その一方、ちゃんと法整備されてないもんだから、秘密裏に行われた出産例がすでに何例も出てきてしまっている

だったらちゃんと法的に認めようよ、というのがワタクシの考え

それと、よく言われており、また、おふたかたがおっしゃるように、カネがからむ、ということがそんなにまずいですかね?
健康な人が出産する、とは言え、それなりに危険はともなうわけで、その報酬としてお金が支払われたとしてもそれは仕方ないことだと思います

ただし、代理母となる人は自発的に申し出ることが必須ではありますね
人身売買めいたことが行われないよう、ことこまかに決まり事を作り、厳正に適用されることが必要だと思います
要は、公明正大、正々堂々、普通の医療と同じように明快に、正しく、とりおこなわれるべきなのです
それを変にかくしだてしなきゃならんような風潮をこそ変えていきたい
ま、それは私が基礎医学にたずさわっている人間だから、という側面はあるかもしれません
しかしながら、医学の進歩を生かせるよう、ちゃんと議論をつくし、法的な整備をできるかぎり促進してほしい、というのが私の願いであります
だって、そうじゃなきゃ、なんのために科学は進歩するの?

と、いったんやりはじめるとその果てには自分(=ペンギン)の存在意義にまで話が進展しかねないわけでありますが、それはまぁ別の機会に

結論ですが
世の中の人々がよりよく生きるために、多くの選択肢の中から自由に自分の希望する方法を選べる、という風に世の中が変わっていってほしいなぁ・・・と、思うのです

今回の件に関してだって、海外での代理母出産、という選択肢が一つ増えた、と考えればいいと思うのです
そこまでせんでも養子縁組すれば子育てはできる、という選択肢だって当然 あり だし
さらにそこまでもせずに、子供のいない人生を受け入れる、という選択肢だってあるわけで
どのようにするか? は個人の自由意志に任されるのが一番

ということをワタクシ的結論として、とりあえずコメントへのお返事ついでに補足説明終了

つーわけで、だいぶ言葉をはしょったせいで色々物議をかもしてしまった前エントリをもう一度掲載します

なんで品川区は受理せんのだ?
拒否して、誰が幸せになるんだ?
両親もおなかを貸した人も普通に扱ってほしいのだろうし
おそらくは成長したあとの子供たちだってそう思うだろう

反対派の意見を聞いてると、母性ってのは腹をいためた人にしか持つ権利がない、ということになるのだが
それってすごい偏見だよなぁ

医学の進歩にアタマがついていかない典型例ってやつ?
お役所ってのはほんとにバ・・・<以下略>

色々ご意見をいただいた後でも、私の考えは基本的に変わっておりませぬ
ごめん

状況から見たら、養子よりは実子として認めてあげたいし、それをちゃんと認めるように法改正すべきだと思うし
またたとえ法改正せんでも、現行法ってのは「法解釈」次第ってところがあるわけで
『行列のできる法律相談所』を見ていれば、同じ法律でも解釈次第でいかようにも転じる、ということはよくわかるわけで
今回、せっかく東京高等裁判所が『オチ』をつけてくれたんだから、それにのっかればいいんじゃないのか?と思うわけで
それを無理矢理なんでまた上告せんといかんのか、 そこが

わからん

というのが私の主旨だったわけで

明らかに情緒的、というか心情的側面を訴えているところへ、わざわざ串通してまで三権分立をとなえたついでにいやみを残して行く、通りすがりの中の人の手間暇には敬意は表するけれど、三権分立は心情の問題にはあんま関係せんわけですが、どうよ?

ま、これははどこにでもいるそういう人なんだろうからどうでもいいっちゃいいんだけど

つーわけで、長々とひっぱったわりにえらいこと散漫で大したことも書けませんですみません
私の意見を代弁してくれたなぁと感じたべったんさん、仙台通信先生、わかさん、ありがとう

【追記】
今回の件をものすごーく掘り下げて書かれている 記事をいくつか、参考文献として付記しますです
いわゆる「代理母」と子の福祉
代理母出産は不妊治療ではありません
代理母の問題点
向井亜紀が涙、代理母出産認められた

上のほとんどが、代理母は法的にはっきりと禁止すべきである、という意見で
さらにほとんどの場合、借り腹、そのものを倫理的側面から非とする、という論調になっております
残念です
私から見ると、女性をモノとしてしか見ていないのは、そちらではないの? と言いたくなる内容なのです
自発的に、ボランティア精神で、おなかを貸してくれた人の善意と意志、というものはいずこへ行ってしまうのか?
提供者側の意志も尊重すべきではないのか、その観点からの意見がほとんどないのはなぜなんでしょうか?
お互いに理解し合うまでにはまだまだかなり距離があるようですね

はてな