おいちゃんとふたり、おっさん2名の合宿所、といった趣であるわが社において、土曜の夕刻というものは明日一日『お休み』という安心感があり、一番心が安らぐ時間帯
遅い昼ご飯後、おねむになったとおぼしきおいちゃんがとなりですやすや居眠りしているのを横目で見ながら、しみじみ癒されているペンギン君なのである
小さなお子さんのいる方々はそうもいかないんだろぉなぁ
で、まとめ2、である
今回は医学部再入学、あるいは学士入学、つまりは出戻りというものについてワタクシなりに論じたい
誰も期待しちゃいないだろうけどそんなん知らんもんね
すでに書いたようにペンギン君が医学部に入学したのは理学部(4年間)卒業後に2年間アメリカ滞在した後
つまりストレートで入学してきた同級生達とは6歳の開きがあったわけである
逆に言うなら同年齢の連中よりもスタートが6年遅れる、と言うことになる
その結果大変だったことの一つはすでに書いたように記憶力の低下であり、暗記しなきゃいかんことの多い医学部ではこれは致命的な欠陥となった
ま、そこはソレ、年の功でなんとかごまかして国試をくぐり抜けたわけだが、とにかく大変だったことは言うまでもないのである
スタートが6年遅れているとどうなるか考えてみよう
卒業時点で30歳 (同学年は24歳)
学位取得時34歳 (同学年は28歳)
ペンギン君がここで1年セーブできて33歳取得となったのは僥倖であった
仮にそのあと3年間海外留学したとしよう
帰国時年齢37歳 (同学年は31歳)
この意味わかります?
現在国内で公募されているポストドク、あるいは若手独立研究員、というもののポスト
そのほとんどに35歳(あるいは37歳)未満という年齢制限があるため、出戻りの場合、応募資格をことごとく失うのである
また、逆に同年代の連中と比較した場合
そのほとんどがとっくにアメリカから帰ってきてポジションねらっている時期にはまだ学生やってることになるわけで、これまたリスクは大きい
というような当然生じるであろうデメリットをはねのけるにはどうするか?
ペンギン君は極めてまれな成功(してるのかどうかはともかくとして)例であると思われるのだが、ポイントとなったのはただ一点
学生時代から研究室に入り浸って研究生活を実体験し、しょぼしょぼとは言え論文も出した
ふつうの大学院生がやってたであろう生活を医学部生活と両立しながら行ったことで、年齢的な遅れをできるだけ取り戻したことになる
やっぱこれが一番大きな要因だと思う
で、ひるがえって、昨今、学士入学が大流行中である
という書き方は不謹慎なので、言い換えると、以前より学士入学制度を実施する大学が増えてきており、しかも募集内容がずいぶんと変わってきているようだ
しんすけさんのところとか、あざらしさんのところとか、次の4月から医学部に編入することが決まった方々のところに詳しく書かれている
記事の中でへ~と思ったことを抜粋
入学は、第3年次への編入学とする。編入学者には独自のカリキュラムを用意し、医学教育の中で重要な科目については、本来、第2年次までに修得する科目も履修する。この制度で入学した者は、医学科卒業後、ただちに医学系研究科博士課程に入学することが基本となり、通常より1年短い3年で医学博士の学位が取得できるよう指導を受ける。
この制度による入学者は、第3年次から第6年次まで基礎医学の教室にて研究を行い、その成果を論文として提出するとともに、第6年次に行われる発表会にて発表することが求められる。(平成18年度 第3年次学士編入学学生募集要項より)
まるっきり、ペンギン君がたどってきた道のりである
こういう募集をしているのは名大・神戸大ほかいくつかあるようで、こんなんだったらずいぶん楽だったろうなぁ…と、しばし遠い目をしたペンギン君なのであった
こんなん、というのは、ちゃんと制度として成り立っており、特別なカリキュラムの下でやっていけるんならさぞや楽だっただろうなぁ、という意味。アタシャふつーのカリキュラムぜーんぶやりましたから
が、まぁ、いつまでも遠い目をしていてもはじまらないので結論を述べる
出戻り、を決意した方々が、たとえば
卒業後はどっぷりお医者さんやるんだも~ん
という目的で医学部に入り直すのならぜーんぜん問題ないと思う
むしろ、人生経験長い分、いい医者になると思う
が、しかし
オレは医局に残って白い巨塔のてっぺん目指すぜ!
などという野望は決して持ってはならないのである
だって、最初っから出遅れてんだもん そんなんほぼ無理だって
じゃ、研究者は?
自分で考えてくれ
どーしてもやる! とおっしゃるなら、かなり狭き門だとは思うけれど、名大・神戸大の学士入学を目指されるのが吉かと…
しかもその場合ですら、卒後確実に遭遇するであろう35歳(あるいは37歳)未満という年齢制限の壁はすぐ目の前にそびえ立っている、ということをアタマの片隅にでもとどめといてくれ
オイラは生来の運のよさもあり、かなり時間短縮してここまでたどり着いたが、それを差し引いて、もしもストレートに来たと仮定し、今より6歳若かったとするならば、それこそセキララ氏が普段から居丈高に誇りちらしている30代中盤、若手助教授様、なのである
別にいばっているわけではなく、こんなんはきわめて希な例であるということが言いたいのと、もしもその年齢ならまだやり直しもきくし門戸もひらかれている、ということが言いたいの
しかもこれから入る人々の前には例のポストドク1万人計画によって産出された団塊の世代がひしめいているのである
若者達よ 心してかかってほしい
がんばれ
ところで、前述セキララ氏はテニュア、こっちは臨時雇いで、そこには越えられない壁があり、まぁそればかりでなく、一緒にしてほしくない気持ちは痛いほどわかる
わかる、が、それにしても、自分で自嘲ぎみに言うのとあからさまに他人様から言われるのとでは傷つき方が違うのだよ、見てる? >若手助教授様
以上 ペンギン的考察終わり
なんの役にもたたんな
相変わらず
ここんとこ、みなさんの応援、というよりもたぶん単なるセクシー女教師への好奇心からランキングポイントがすごいことになっている
んもぉ みんなお好きなんだからぁ
この勢いで本丸である日記ランキングに打って出るか!
なんぞという既出のセキララ氏あるいはsachiさんのような気概は全くなし
35才だか37才の年齢制限っていうのやめちゃえば’いいのにって思います。米国にはそういうのないですし。
出戻りでなくても臨床医が研究に目覚めた場合なんかもひっかかりますね。ちなみに私は数年の臨床onlyの生活の後33才で学位取得、留学、2,3年で帰りゃいいものの、その後研究に目覚めて帰るタイミング逸し、いまだ米国です。臨床も忘れちゃったし、もう帰れませんです。覚悟を決めました。
ちなみに「セクシー女教師」、職場でも家庭でもヤバくて見られませんな。とかいいながら妻が寝ているあいだに見ちゃいましたけどね。
そうでしたそうでした
自分が臨床を全然やってないので忘れてました
臨床医からの転身でも同じことが起こりますね
ほんと、年齢制限なんてものは撤廃すべきです
学問に年齢は関係ないっすもん
それにしてもご隠居さんすごいなぁ ずっとアメリカでがんばってるんだなぁ
医学部に限らず日本は融通が利かないですよね。一度人とちがうことをすると戻れない。
アメリカで頑張るのも根性要るし・・・
テニュアと日雇いの間の壁も厳しいし・・・
早く人間になりた~い
ワロタw
ペンギン先生かリョーヘイさんか言われると、もちろんペンギン先生について行きます。
ひさん
オイラも早くにんげんになりたーい!
先のこと考えてしまうと夜も眠れません。最近死んだじいちゃんが夢枕に立ちます。なぜだ。
セキララ若手助教授様
来おったな こわっぱ
体育館裏に呼び出されて堂々と出てくるあたり、さすがと言えるが
でもって信じられる要素のかけらもないお世辞ありがとう
おばちゃんとりあえず執念深いからね~
国立大学の独法化について神経科学の某大御所先生は、「これで研究機関としての大学もしまいやな」っておっしゃっておりました。お役所じゃなくなるんだからもっとやり易くなるのかと思ってたら逆に縛りがキツくなってる。○○省の科学行政は××なので、早く潰すしかない。あるいはペンギンさんが偉くなってどうにかしてくだされ。ペンギン様なら出来る(と煽る私)。応援するから。
初めて知りましたタカハシメソッド。明日のlab-meetingで使ってみます。
私も再入学組で学位取得は35歳。余り深く考えず(何となく年齢制限気付いていたけど)どうしても日々雑用に追われているようにみえた”助手”というものに魅力を感じず、アメリカへきてしまいました。
本当に研究職公募の年齢制限外してください。小泉さん。
でも考えますねー。こっちだと(万一うまく行けば)何せassistant profにさえ成れば、もう自分のラボ。越えるハードルは一つだけ。(テニュア云々のミニハードルは6年後にあるけど)日本だと、助手、助教授、教授。ハードル3つで、やっと自分のラボ。特に最後のハードルは大きいと聞きますし(医学部だけかな?)。
僕にはどっちかというともう選択の余地があんまりないけど、30才ぐらいの若い人でも研究者めざしたら今はこんな風に思う人いるんじゃないでしょうかねー。
美人教師ブログ、自分のこれまでの密かな楽しみが,,,,,,,,,,,,,,,。すいません。
いつも楽しく拝見しています。
私は高卒後2年の社会人経験後に大学へ。修士了後3年社会人。そしてこの4月からどくたーへ逝きます。
出戻りってやっぱりツラいですよね~。齢29歳。小生も頑張ります。
親が金持ちじゃないとこうせざるをえないんですよね~。小泉サンには貧乏人にもまっとうな資金援助をお願いしたい今日この頃です。
先生~みましたよ!例のブログ!!
いやー・・・そそられますねぇ( ̄¬ ̄*)じゅるぅ
↑おい
まじめなお話ですが。
年齢制限撤廃は、私も折に触れて申し上げてることでございまする。
ぺん太先生のような例もございますが、妊娠・出産・育児を35歳前にしたい女性の大きなネックになっています。
次の基本計画にはかならずやっ・・・メラメラ
ところでセキララ先生の暴言はどぉれ?
(¨ )( ¨) キョロキョロ…
6年のギャップを埋められたのは、ペン太さんの才能と研究の良き師に出会えたからですね。
私もいろいろなところで道草を食ってしまって、この年齢制限気が滅入ります。きっと、撤廃するだろう、と願っていますがいつになるやら。
下の子に、見つかってしまいました・・・ペンギン!と喜んでいます・・・私は筆が進まない・・・
ところで、私のブログにペン太さんのブログをリンクしてもいいでしょうか。よろしくお願いします。
年齢制限は、まあ絶対になくなるでしょう。こんな時代錯誤なものが科学者の世界に残っているのが信じられない。
「セクシー女教師」見ました。私が通常見ているサイトよりはややマイルドなごく普通のエッチサイトです。お気に入りに追加しました。
iMacせんせ
ドク放火 いや独法化によって何が変わったのかってワタシぜんぜん実感がないんですよね。なにせその前に私立大学へ来てしまったので。というか、日本における初めての職場が私立大学・・・。ぶりがに先生のところに若干の記載があったのは読みましたが、なにせあちらはフィクションとノンフィクションの区別が難しくて(^^;
プテラノドンさん
あらー ドンさんも再入学組だったんですか~。
ハードル高いですね ほんと
海外PIへの道を検討されていることと思いますが、それまた気合いが必要ですもんね・・・。心中お察しいたします。
No-Mi-Soさん
国立大学の学費がどんどん上昇している時期に学位取ったので、自分で払うようになってからその負担の大きさをしみじみ実感しました。それにしても私なんかがおよびもつかないような大変な努力の末に学位をとろうとしているんですね。陰ながら応援します、としか言えない自分が悲しいっす。
Sachiさん
そそられてどうするぅw
年齢制限が女性研究者のキャリアパスにも影響大ということは思い至りませんでした。Sachiさんがんばって撤廃してください。
セキララ氏の暴言は私がトラックバック送った先に記載がありますです。あちらからアクセスした方が探しやすいかと。
Ryoheiさん
きゃ~ あのRyoheiさんからコメンツがっ!
(それにしてもセキララ氏のセリフは拝借しやすいのが多いなぁ)
ご来店ありがとうございます。いつも見てます。
で、同感です、現在これだけ多くいるポスドクの今後をどうするか、と考えたら年齢制限などつけている場合ではなくなるでしょうし。
通りすがりさん
お気に入りに追加・・・・・ウケましたW
あ・・いかんいかん、かえるさんのコメント見落としてた!
リンクしていただけるなんて光栄です。こちらこそよろしくお願いします。
>ペン太さんの才能と研究の良き師
前者はともあれ、後者はほんとーにその通りだと思います。ロバートの抜群の嗅覚、大ボスの努力する姿、常々学ばせていただいております。
コメンツの返事にもワロタw
なんでおれには「来おったな こわっぱ」やのに、リョーヘイさんには「あのRyoheiさんからコメンツがっ」やねん。
でんでんちゃうがなw
きゃ~ あの新進気鋭のだいたいタンパク質の若手助教授のセキララさんからふたたびコメンツがぁぁぁぁぁぁっ!!!
これでいーい?
ペン太さま、
優秀はひとほど運がよかったから、といわれます。
わたくし、知ってますわー。
わ・・わかさん
ほめられると図にのるタチなんで、やめてくだされ~
ああああ もうこんなとんでもないとこまで登ってきちゃったぁぁぁ