お待たせしました (誰も待ってないかもしれんけど)
ここんとこ雑文で場を紛らしていたのであるが、ここを通り過ぎないと話が進まないので、書きにくいとこはできるかぎりマイルドに行く、という方針でとりあえず再開
前回までのあらすじ
突然テニスコートに現れた不審なおやぢ、その実態はR研のロバであり、どうやら研究者である、と判明。医学部2年の夏休みで無聊をかこっていたペンギン君、展開を全く無視したいきがかりにより、翌日からアルバイト生活を始めることになった。
R研は研究所があちこちに点在するT研究学園都市(当時はまだ市ではなく、なんとS村だった)の中でも割とはずれた場所にある
いかにもT市らしく、畑のど真ん中に忽然と姿を現す建物は、まだできたばっか、という雰囲気だった
建物は研究棟が3棟、事務棟(当時はプレハブ)が1棟
細長い研究棟3つが平行に並び、それぞれの2階どうしが渡り廊下でつながっているという造り
ペンギン君をスカウトしたロバ氏が主宰する研究室は、よりによってあのP4施設のすぐ上階、という最も奥まった場所にあり、最初にたずねた時、いわばやや隔離された雰囲気を感じた・・のだが、実は全くそのようなことはなく、後に研究所中の人達と顔見知りとなる
当時のロバ研は
ロバ、ロバ奥(秘書)、研究員1名、派遣の形で常駐している臨床医3名、院生2名、テック1名、というのが常勤メンバー
それ以外に週に何度か訪れる共同研究メンバーがぞろぞろ
週2回ほど夕刻になると登場するバイト学生がぞろぞろ
という構成であった
トラブルはいきなりやってきた
ペンギン君が配置されたのは、3つある部屋の一番奥
細胞を主として扱う人、が生息する場所で、通称『Cell部屋』
そこを守っていた前テックさんが急に辞めてしまったために、急遽、ペンギン君が補充されたわけだ
のほほんと登場したペンギン君を見たロバート
「おお~ いらっしゃい。じゃ、ついてきて」
と、先に立ち各部屋をまわりつつみんなに紹介してくれる
その時のセリフが
「今度、テクニシャンとして来てくれることになったペンギンさん。前にラボで働いていたことあるから、即戦力だよ。がんがん仕事してもらってね」
アメリカでテックやってた経験を重視して(パートの)テックに雇ってもらった、と理解していたペンギン君、別になんの疑問も持たず、また微妙にアメリカナイズされちゃってたため特に謙遜もせず
「よろしくお願いしま~す」
と、くったくのないご挨拶をかます
だが、なぜか、これが、もう一人いるテックのおねいさん(主としてDNA扱う仕事している部屋なので通称もれきゅらー部屋、に配属)のカンにいたくさわってしまったらしいのである
その主張というのは
「学生バイトのくせにテクニシャンとは何だ! しかも態度がやけにえらそーだ!」
いや・・当時からエラそーで、未だにずっと態度がでかくてエラそーなのは確かにその通りで、返すお言葉もない
しかしそのおねいさんによれば、テクニシャンというのはあくまでもR研が正規の手続きをとって、すなわち、人材派遣会社に高い中間マージン払って、雇われたフルタイムのヒトのことだけを指す、らしく
職種:テクニシャン
給与体系:アルバイト(パートタイム)
というのはありえない! こと、という方が大きいようだった
つまり、彼女は多数の(冗談でなく10名近くいた)バイト学生の上に燦然とそびえ立ち、共通試薬を作らせたり、ミリQをポリタンに汲んでこさせたり、あれこれ指図する役目を一手に引き受けており
その彼女の認識では
ペンギン君=バイト学生である
したがって本来は自分の配下に置かれるべきである
しかるにそんな輩を自分と同等の実験をする役目に置いたら今までの命令系統が崩れる
というのも不満な点だったらしい
ご存じとは思うが、ラボというのは優秀なテックがいるとその人を中心に回るもんである(ちょうど今現在のペンギン組が技官のHっちゃんを中心に物事が動いているみたいに)
彼女はかなり優秀なテックで、馬力もあり、とにかくマメ
要するに初日にいきなりラボの中心人物ににらまれたペンギン君、本人は全くあずかり知らぬ間に大ピーンチ!な状況に陥っていたらしい
それが時間とともに顕在化してどーんどんたーいへんなことになるのだが・・・
脳天気なペンギン君
いつものことではあるがそのような空気は皆目読めず
Cell部屋のヌシである唯一の研究員O先生にハイブリドーマの作り方、なんか教えてもらったりしながら、結構ハッピーに夏休みの荒稼ぎ態勢へと突入するのであった
次号、ペンギン君大ピンチの巻
ホントに書くのか、はなはだ疑問
まさかとお思いでしょうが、これでもかなーりマイルドな表現を用いて比較的障りのないことしか書いてないんす。マジです。書きにくいことが大杉で躊躇していた意味、わかってくだされ。
>ラボというのは優秀なテックがいるとその人を中心に回るもんである
う~ん、深いお言葉。優秀ってのはいろんな意味を含みますよねっ。
でもって優秀なテックというのはそうはいなくて、個人の能力よりはボスやメンバーとの人間関係が上手く成り立って初めて出来上がる気がします(って当たり前か)。
それにしても、奥歯にモノが挟まったかのような文章、、、
ぺんぎんさんらしくないッとは言えません、はい。
茨城に近い千葉県に住んでいた私としては、
つくばのイメージは今でもサクラムラです。
ま、それは置いておいて。
いやーいろんなことあるもんなんですね。
確かに奥歯に物が挟まったかのような物言い、
いつものぺん太さんらしくないですが、
それがまた「いろいろあった」ニオイをぷんぷんとさせていて、
さらにおもしろさ満載です。
あ、先日のペンギングッズ一覧、めちゃツボにはまりました。
ああいうの大好き!
まじで待ってました。面白いですこのシリーズ。
実はペン太さんがボストンにいる時からの愛読者です。これからも楽しませて下さい。
ペンギンさんとほぼ同時期にボストン(といってもHarvardのBiolabsの方)にいた者です。ペンギンさんの現おおぼちゅともお知り合いですよ~。いやーどこのラボでももめ事はあるもんで。もっと赤裸々に語って欲しいなーと思い、コメント送らせていただきました。ちなみに私、講師なんですが事実上教授から独立してやってます。しかーし、歯に衣着せぬ物言いが災いして「誰とでもケンカする人」「出世できないタイプ」という誤った認識が…。ペンギンさんも、もそっとガンガンいきましょうよ(その方が面白いし)。って煽ってるだけなんですけど。今後の展開ものすご~く期待してますヨ!!
ぺん太さん。待ってましたよ。お話の続きを!やっぱ、いるんですね。どこのラボにも”おばば”と呼ばれる人物が!この人に気に入られるかどうかって言うのはそこで生活しやすいかどうかって事に大きくかかわりますよね。せめてそのおばばが黒木瞳似だったらなんでも許せちゃうかもしれないけど、伊藤四郎似だったら、、、。ああ。懐かしいなあ。お話の続き期待しています。
t-macさん
うまく説明しきれていないんですが、ラボ内の全ての動き(実験、モノ、そしてもちろん人間)をきちんと把握して円滑に行くように気を配る人がラボの中心になると思うのですが、賢いテックなヒトというのはなんせ研究室にいる時間が長いし、ヒトとの関わりが深くなることが多いのでああいう表現になりました。実質的、管理人、とでも言いましょうか。
って、t-macさんが書かれているのはまさにその通りのことを別な言葉に表されているわけですね。蛇足でした。反省。
麦美さん
ペンギングッズ、ほとんどが頂き物なんですが、なぜかどんどん増殖中っす。ちなみに撮影中、映りそうな位置にいたペンギンは全部強制移住されていた模様です。当たり前か。
はしくれさん
って、これまたずいぶん控えめな命名ですね。暖かいご声援ありがとうございます。ってか、ボストン日記から見ていてくださる方のこういうレスポンスってほんとうれしいです。今後ともよろしくごひいきに。ぺこり。
iMacさん
現在のややディープな場面は関係者各位がまだ業界にいることもあり、できるだけ穏便にさくっと通りすぎようとしております。大変なことになりそうですし。生暖かい目で見守ってください。ともあれコメントありがとうございますぅ。大ボスにも伝えておきますね。
ところで、
>しかーし、歯に衣着せぬ物言いが災いして「誰とでもケンカする人」
>「出世できないタイプ」という誤った認識が…。
他人事とは思えません。ぜひ一度お会いしてアルコールでも摂取しつつボストンの思い出話でもしたいものですね。
まいさん
>この人に気に入られるかどうかって言うのはそこで生活しやすいかどうか
>って事に大きくかかわりますよね。
そうそうそう、その通りなんですよ、それが言いたかったんですよ。おかげで大変でしたよ。
ただワタクシの場合、黒木瞳よりは伊東四朗の方がタイプですけど。←をい